第10章 甘い誘惑
でも……
「こら…ダメだってば…
涼太明日も朝早いでしょ?
もう寝なきゃ…」
なんて暴れて抵抗して見たら
舘様はあっさりと
「ご褒美いらないの?
じゃああげない…」
そう言って私の手を離し
外したボタンを元に戻すと
私に背中を向ける…
あんな風に
私に触れてキスをして
笑ったくせに
向けられた背中が私を拒絶してるみたいで
「涼太…」
そう小さく名前を呼んで背中にくっつくと
ふっと小さな笑い声がして
くるりと私の方に顔を向けた舘様は
「おいで…?」
そう言って優しく腕を広げる…
この腕の中に飛び込めば
私の負けだ…
そう分かっていても
引き寄せられるみたいに
腕の中に飛び込んでしまうのも
「欲しいなら欲しいってちゃんと言わなきゃ
あげないよ笑?」
そんな意地悪な言葉にさえ
「ご褒美…欲しいです…」
そう情けなく言ってしまうのも
それはきっと
舘様の甘い甘い誘惑に
私が抗えないからなんだ…
酔っ払いの舘様は
少し意地悪で
少し甘えん坊で
大いに欲望に忠実だ…
そして何より厄介なのが…
「俺を欲しがるそのとろけた顔…
僕だけにしか見せちゃダメだからね?
〇〇は僕だけのものなんだから
愛してるよ…」
そう言って
私を見つめる目も
私に向けられる言葉も
私に触れる手も唇も
いつも以上に甘く熱すぎて
底なしの舘様の魅力から
どう足掻いても
抜け出せなくなってしまう
なんて恐ろしい
甘い誘惑なんだろう…笑
〜end〜