第1章 やきもち
楽しそうな笑い声に
なんだかちょっと胸がざわついて
はるの耳からイヤホンを外し
「何見てんの…?」
そうはるの耳元で囁くと
はるは驚いたように
びくんと体を震わせ
「亮平…!?
何どうしたの…?勉強終わったの…?」
なんて赤く染まった耳を押さえながら言う…
「まだ途中だけど…
康二のYouTube…そんなに面白い…?
なんか部屋から笑い声聞こえてきたから…」
そう言って隣に座ると
「あぁ…ごめんね、うるさかった?
あのね…今見てた康二くんのYouTube
すごく面白くてね…」
なんて無邪気に笑いながら今まで見ていた
スマホの画面を俺に見せてくる…
そんなはるの態度に
モヤモヤがさらに胸を覆って
もう一度はるの耳に顔を近づけ
「なんか…
俺と話してる時より楽しそうだよね…?」
そう小さく息を吐くよう囁くと
はるはたまらないように"ん…"と声を洩らし
「亮平…それわざとだよね…?」
なんて潤んだ目で俺を見つめた…