第3章 ひろゆきRTA
「『無い』とはつまり、アルヴィド様の意見への否定ですもの、ねぇ?」
『ねぇ?』と、言いながら扇をパチンッと閉じ、辺りを見渡す。
ザワ……ザワザワ……、と、子女達がざわめく。
「そ、それはっ」
オスヴァルド様、語るに落ちたわね。
どうせ大した証拠なんかないのだ。そして―――、
証拠は間違いない、だが事の真偽に関しては私達はイーブンだ。
「わたくし、カルロッタ・ラーゲルクヴィストは、ここに!!ラーゲルクヴィストの家名において誓いますわ。私、いじめ等致しておりません!!」
バッと又扇を開いて宣言すれば、又ザワ……ザワザワ……、と、子女達がざわめく。
「では、君は何のつもりで」
嗚呼、オスヴァルド様……本当にあなたはスヴェアを愛してしまっているのね。
何だかちょっと胸が痛い。
私の言葉は一切信じられないのに、スヴェアの私がいじめをしたって話は全部信じていらっしゃるんだもの。
―――もう遅いんだわ。
私もスヴェアに構うのではなく、オスヴァルド様にもっと可愛く泣き縋れば良かったのかしら。