第12章 私、改心しました!
「マルティナ、今度こそ君を護らせてくれ」
―――優しく口付けられた。
「これから、今度は君が悪評を流布されて後ろ指をさされる側になるだろう。それでも、私は側に居るから」
もう、ほんとアロルド様は、『弱い女』が好きなんだから。
そんなんだから、『私』に騙されちゃったんだけど。
元キャバ嬢の私からすると可愛いものだ。
そっちがその気なら―――。
「アロルド様は愚かなマルティナを許してくれるのですか?」
「マルティナが愚かな私を許してくれるなら」
アロルド様の言葉に自然と笑みが零れる。
―――私達はやっと噛み合ったわ。
「今度フレヤがマルティナに会いたいって。お茶会でもしないか?時間はあるんだろう?」
少し笑ってアロルド様。
―――フレヤが私と?
「君と話してみたいんだってさ」
私の髪を撫でながらアロルド様。小さく頷く。
そこからは言葉は要らなかった。
私達は口付け、情熱のまま縺れ合う様に寝室に向かう―――。