• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第1章 後宮の外に毒の華が咲く


結果糸は…余計絡まっただけだ。

思い出したく無い記憶に壬氏は顔を歪めた。




いつもそうだ。

饒舌に動くこの口も、月娘の前だと上手く動かない。

あの美しい顔で見られて、何を言っても見透かされている様で。

いつも口を紡むんでいた。





『瑞月様』





幼い頃に笑顔で自分を呼んでいる月娘を思い出して、壬氏は硬く目を瞑った。







一方月娘は、壬氏と別れてから侍女達の元に向かった。

「…小閔(ショウ)は?」

「才人の一人の渼様の所の侍女と幼馴染とかで、顔を見せに行ってます。」

(…才人…下級妃か…。)




この後宮で目立った行動はすべきでは無い事は分かっている。

主に断りもなく、勝手に後宮を彷徨くとは…。

少し優しくし過ぎた…。

後宮を我が物顔で歩いている主に仕えて、自分も偉くなった気でいるのだろうか。





勝手に動いている侍女をどうしようかと悩んでいると、目の前から猫猫が歩いてきた。
/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp