【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第8章 【R指定】花街に毒の花が咲く④
しかし、最初にやる事が湯浴みなのはいい。
用意するのに時間がかかるから、まだこうして月娘を抱いていられる。
「っん…っちゅっ……瑞…っ。」
抱いているだけじゃ物足りなくて、壬氏は月娘の唇にキスを繰り返す。
勿論、朝の情欲を込めたキスだ。
「…はぁ…瑞…。貴方も公務があるでしょう?」
昨日からどれだけ時間を使っているのだろう。
こんな風に、外に出て自由に出来る人では無いのは分かっている。
「後宮に戻ったら、溜まった公務はやるよ。」
そして1番にやらなければならないのは、月娘を皇室に迎える準備だ。
「月娘、すぐに帝に俺たちの婚姻の準備を頼もう。」
「…………………。」
そう嬉しそうに話す壬氏を見て、月娘は不思議な気持ちだった。
あんなに逃げ回っていたのに、今は人が変わった様に婚姻を楽しみにしている様に見える。
「…嬉しいけど…瑞……。」
月娘の身体がピクッと跳ねた。
壬氏の唇が口から離れて、月娘の首元に移動したからだ。