第5章 【ご主人様】
「はぁ....はぁ...はぁ....はぁ.....っ」
上半身から、ぽとぽとと、汗がこぼれ落ちる。
ようやく、手首の方の拘束を、ほどかれた。
「あるじ、様.......」
その瞬間、裸の身体を抱きしめられた。
「....すまなかったね....」
目を見開く。
「主様.....」
ぎゅっと、主様を抱きしめ返した。
ーーー主様の、汗が交じった匂い....心地が良いですね...。
「ちょっと、いや大分はっちゃけすぎたよ....うん...だけど俺は、」
耳元で囁かれる。
白いカーテンから、美しい光が差し込んだ。
「また何度だって、淫らに甘い声で鳴く、凛を抱きたいと思うんだ....嫌だったら、俺から逃げてくれないかい...」
ーーー...嗚呼、なんて事でしょう。
今度は、胸の疼きを止められない..。
「逃げようにも、抱きしめられたままでは、私は逃げられないではありませんか...それに...主様があんな性欲を、これまでひた隠しにしておられていたなんて....」
私は主様の肩に、頬をすりつけ、クスリ...と笑った。
「!!!やめないかその言い方....ッ!!」
ーーー嗚呼、なんだか安心致します...この主様のお身体に触れ合っていると...
「私をご自分のお部屋に"監禁"された主様が....」