第7章 【彼氏】
雷は縛られた縄跳びの中から、呆然とする。
「ふふ...いつも"弟の"泪がお世話になっていますっ」
空くんに肩を抱き寄せられる。
「空くんもう帰ってたんだねぇ..まだ言ってなかったねぇ、おかえりっ」
僕は、空くんの手に自分の手を重ねた。
「うんうん、ただいまぁ、泪」
すると、空くんに後ろから抱きしめられる。
「久々に....お兄ちゃん昇天する程気持ち良い朝を迎えられたんだよねぇ、泪のおかげっ」
空くんは、素敵な良い笑顔を僕に向けてくれる。
「そうなんだぁ?良かったねぇ...」
僕達の会話に、雷が加わる。
「えっ、お、お兄さんっ...!?昨日のって!というか、...泪に、近寄りすぎじゃないですか!?」
たはっ、と僕は心底嬉しくなって、笑う。
「雷、空くんに嫉妬はだめっ♡」
「ふふ....だけどごめんねぇ、泪から離れるねぇ、僕...」
その瞬間、空くんは僕から離れ、雷を優しく抱きしめた。
「これでおあいこという事で、許してねぇっ」