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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第5章 嫉妬


意識が完全に戻った頃、日比野先輩が病室の扉を引いた。


起き上がろうとしたが痛みで起き上がることが出来ず、その姿を見た先輩はそのままで大丈夫だと宥めてくれた。


「なんであんなことしたんだ?」


近くにある椅子に腰を降ろすと、眉を下げながら聞いてくる。


「ただ、見ていたくなかったんです。大切な人が大切な人を傷付けるのを……。」


見たくないなら、命令違反までして行かなければよかったのに………そう思うけどきっと、なにがなんでも行っていただろう。


クビになったりしないよなって聞かれたけど、たぶん私はそうなるだろう。あんなことをしたのだから。


「二度目はないか…。」


どうやら口にしてしまっていたようで、先輩が私を見つめてぽかんと口を開けていた。


あの時は私が悪かったわけじゃないけど、話そうとしなかったから、宗四郎さんも随分手を焼いたんじゃなかろうか…。

あまり好きな人を困らせたくはないが、私のせいで大切な戦力を失わせたくなかったし、今だって、もし先輩の正体がバレてしまったら、先輩は殺されるかナンバーズになるかだと思うから、ここからいなくなってしまう。


怪獣8号の力は大きな戦力になるだろう。
だからってこのまま、8号で戦わせるわけにはいかないど。


「私、前にもちょっとやらかしてて…あはは。」


明るく言うと先輩は呆れたようになにしてんだよと笑った。

もうどうしようもないだろうと先輩と2人で笑っていると、また扉が開いた。


「なんや、カフカもおったんか。」


「っ!?副隊長!」


先輩は一瞬驚いたがすぐに立って敬礼をした。

宗四郎さんはそのままでええでと先輩に言うと私の横に来て、少し私の身体を見つめてから微笑む。


「もう少しで親御さん来るで。迎えに行ってくるな。」


お母さんが?というか、副隊長が迎えに行くの?
わけがわからず、少し顔を傾けた。

どうやら、出血の量が酷く危ない状態だったので連絡したようだが朝早かったので繋がらず、折り返しがあった頃には容態が安定していたので、来るのであれば意識が戻る午後に…ということがあったようだ。


宗四郎さんが母を迎えに病室を出ると、先輩も邪魔しちゃ悪いからといなくなった。

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