第18章 須臾
こんなこと考えるのはおかしいと思っている。
それでもそう思ってしまうのは……綺麗なお姉さんの頬と腰に手を添えてキスをしている彼がいたから。
いつも私を求める時のような熱の篭った瞳をその人に向けているから。
キスは好きな人にしかしないんじゃなかったの…。
「ふふっ、宗くん勃ってる。夜まで待ってね。」
「ほんまにあかんです…こないなこと……。」
なんで勃ってるの?私以外、反応しないんじゃなかったの?
お姉さん…いや、たぶんあの人は、第1の人だろう。
確か、宗四郎より少し年上だったはず。
その人は今更なに言ってるの、と…いつもしてたじゃない、と……なんのこと…?
「あかん、我慢出来へん…すぐ終わらせるんで、今していいですか?もちろん夜も…。」
ありえない…。
私をご両親にまで紹介してなにしてるの…。
第1のお姉さんはしょうがないなぁと言ってしゃがみ、宗四郎の硬くなったモノを取り出して、ソレにかぶりついた。
状況が飲み込めずに涙がポタポタと零れていく。
ここから立ち去りたいのに足も動かせない。
「んっ、あかん…やっぱめっちゃうまい、きもちええっ……もっ、でるっ…あっ、うっ……ふっ、ふーっ…!」
「早いなぁもう…ふふっ、私にされるのそんな好き?」
舐められてすぐに吐き出した彼は、声が漏れないように手で口を覆った。
好きですと呟く彼の声を聞いて、やっと動き出した足でそこから逃げるように走り去った。