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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


よかった、怒ってなかったと安堵の声を漏らせば、なんで?と笑っている。


「僕が手術させたんやし、あないな可愛ええ理由で断られたんや、怒るはずないやろ?」


勃ちそうやったから素っ気なくなってもうたと謝る。


腕を離され、彼は自身が脱いだ上着を私の肩に掛けてもう少し待ってて欲しいと、私の身体をくるんと反転させて背中を押した。


「あんまえろい身体見せて彷徨かんとってー。」


宗四郎さんが脱がせたんだろ…という悪態を心の中でつきながらリビングに戻る。


ソファに座り、暇だったらテレビを見ていていいと言っていたが、すぐにシャワーを浴びるのでいいかと思いスマホを弄る。

世の女性は出来ない時どうしてるんだろうと検索してみたが、あまり収穫がなかったのでスマホを置いて、ボーッと部屋を眺める。

あまり物はない、ほとんど帰っていないだろうから仕方ないが。

あ、本はいっぱいある。
どんなのがあるんだろうと棚に近付き見てみる。

難しそうな本ばかりだった。
どれか読んでみたかったが、今はそんな時間はないので諦めて、そろそろシャワーを浴びようと脱衣所に向かう。


彼の上着をどこに置いたらいいかわからなかったが、洗濯籠に今日履いていたズボン等が入っていたのでそこに入れておいた。

下着を脱いでみると血がついていたので焦る。
血がついているものをそのまま履きたくない…。


浴室の扉を開けて、恥ずかしくてボソボソと彼に相談してみる。


「あ、あの…下着に血がついていて…えっと、その…。」


「ん?あぁ、すまん忘れとった。シャワー浴びとき。」


宗四郎さんはその声を聞き取ってくれて、浸かっていたお湯から上がり浴室から出る。

すぐ戻ってくるからゆっくりシャワーを浴びとけと、急いで服を着て外に出て行ってしまった。
どこに行ったんだろう…。

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