第6章 慰労会
副隊長と別れて、スーツに着替えて演習場に来ると、彼もスーツに着替えていた。
事務仕事でもしていればいいのにと心の中で呟く。
解放戦力を測る為、ライフルを持ち、瓦礫の中から出現する小さな的を撃ち抜くのだ。
みんなが次々と撃ち抜いていく中、だんだんと私の番が近付いてきて憂鬱になる。
とうとう私の番が来てしまい、重いライフルを持てない私は拳銃を持ち走りながら出現する的に弾を撃つが、命中しても弾は弾き返され、カンカンと音をたてながら瓦礫の中に落ちていった。
狙撃武器の解放戦力は7%のままだった。
その後、私だけ保科副隊長と刀で模擬戦をすることになる。
どうやらみんなは見学だそうだ。
みんなに見られながらやるなんて…。
さてとと言いながら彼は目を開き、身体の線が紫色に発光する。
「今の状態やと、これが限界や。手加減してや?」
二日酔いから回復していない彼は戦力を80%程解放する。
それでも、前より解放してません?
外壁の上にいるみんなは大丈夫だろうか…。
もし彼が全開放していれば、解放戦力60%以下の者は近付いてはいけない。
彼から預かっている小刀を握った。
私の解放戦力は62%。
どうやら、小此木さんの通信はみんなとも繋がっているようだ。
私の近接戦闘の解放戦力を知らないみんなは驚きの声を上げる。