第22章 優しすぎるエース。
-そして翌日の昼休み-
東峰「・・・・・」
影山・日向・「「「・・・・・」」」
ざわざわと周りの人の声が聞こえる中
私たちは少しの間無言でお互いを見合っていた
東峰「何で一緒に練習したことない俺が気になるの?今のメンツであの青葉城西に勝ったんだろ?西谷も無しで」
日向「あっ」
東峰・影山・(((ビクッ!)))
日向「アサヒさんが戻ってこないと2・3年生が元気無いから!!ですっ」
東峰「・・・・・」
影山「声でけーよ」バシッ
東峰「フハッ面白いなお前ら」
「!」
旭先輩が笑った・・・・
こんな風に笑うんだ・・・・
見た目は恐いけど、凄く良い人そう
優しい笑い方
「先輩っ!!もう一度・・・」
東峰「・・・悪いな。俺は高いブロック目の前にして、それを打ちぬくイメージみたいなのが全然見えなくなっちゃったんだよ・・・必ずシャットアウトされるか、それにビビって自滅する自分が過るんだ・・・」
自信を失った顔をしているのに・・・心のどこかではまだバレーを完全に捨てきれてはいないような
そんな複雑な表情
日向「俺、それわかります!俺、背が低くて技術も無いからブロックに捕まってばっかで・・・でも今はコイツのトスがあるからどんな高いブロックも躱せます!ブロックが目の前から居なくなって、ネットの”向こう側”がばぁっと見えるんです!そんで」
旭先輩の表情が少し変わった・・・
翔陽の話を聞いて・・・捨てきれていない想いが少し大きくなったんだ
日向「一番高いトコでボールが手に当たって、ボールの重さがこう・・・こう手にズシッとくるあの感じ・・・大好きです!」
影山「お前もっとまとめてからしゃべれよ」
日向「エ゛ッ」
「あははっ・・・」
先輩は自分の掌を見ながらきっと・・・自分の打ってきたスパイクを思い出してる