第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
二人でベッドに横になり、は五条にすりっと甘えるように肩の辺りに頭を置いた。
五条もの髪の毛を指で遊びながら、それを受け入れた。
「それで記憶はいつ戻ったの?実は結構前だったりする?」
は首を振った。
「綱手川さんに襲われてる時。」
「あー、言いたくないならいい。悪い。」
は気にしないと言い、五条の胸の辺りの筋肉を撫でた。
心臓の上。
手のひらで心拍を確認していた。
「心臓が繋がってた時を思い出したの。」
「へぇ。」
「私たちの1番大切な出会いや思い出全部そこからだもんね。自分に傷をつけて悟さんを呼んだら助かるって。急にそんなことを思ったの。きっと来てくれるって、そうしたら、全部思い出した。」
「…そっか。」
は頭を浮かし、五条の胸の上に頭を預け、耳を当てた。
「少しの期間だったけれど、この音聞くと落ち着くの。私よりゆっくりで、力強い、最強の心臓。」
「のはずっとドキドキしてて、早死にするんじゃないかと最初心配だったよ。」
くくっと笑って五条もの鼓動を確認するようにの背中の真ん中あたりを手のひらで押さえた。
「普通だもん。」
「心臓が繋がったのが、で良かった。」
「ほんと?もっと強い人が良かったんじゃない?私は最強と繋がれたからラッキーだったけど。」
「で良かったよ。僕のことも呪術のことも何も知らないでーー…。この出会いが僕を変えた。」
「ふふ、そんな大袈裟だよ。」
「そんなことない。」
五条は、の頭を撫で、微笑んだ。
「自分の技術だけを磨き、術師としての高みを目指していた僕が、浄化と出会い、呪霊への見方が変わった。を見て、優しい世界を知った。」
「…悟さん。」
「人を守り、愛することの美しさを知った。」
は嬉しさと照れ臭さで、隠れるように五条の肩の辺りに顔を埋め、抱きついた。