第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
ギラギラとを見て、肩にあった手はを強く掴んだ。
「俺に恋人がいて、子供がいるとなると、総監部だって…!」
「や…っ…」
「あんな女と結婚なんかしたくないっ!好きなのは…っさんなんだ!」
は、必死で駆け出した。
家の中に靴のまま玄関を上がり、庭からまたハクに乗って逃げよう、は考えていたが、
玄関を上がった廊下で、足をはらわれは廊下に叩きつけられた。
「…っ!」
手を頬を床にぶつけ、は顔を顰めた。
「さん……」
はぁ はぁ
と、荒い息で綱手川はの上に覆い被さった。
「はなっして!!」
「俺のために妊娠してよ。恋人になってよ。」
を見下ろす綱手川の目に、は息が止まるかと思った。
あんなに明るく爽やかな青年だと思っていたが、獣のようなその目に、は固まってしまった。
「総監部…だって!ちゃんと話せば聞いてくれるよ!!」
「言った!恋人がいる!好きな人がいる!!だから桜子とは結婚できないと!!!それでもダメだった!!なら!こうするしかないじゃないか!!」
「きゃっ!!」
綱手川は胸元のシャツのボタンを鷲掴みすると、下に切り裂くように破いた。
は恐怖のあまり言葉が出ず、ガタガタと震えていた。
「…あっ……っ…」
綱手川はそんなを見下ろし、手首を床に押し付けた。