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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)


私は目を伏せ、彼が去るのを待った。
だが、綱手川さんは立ったまま動かない。

私は、少しだけ視線をあげ彼を見ると、綱手川さんはただじっと私を見下ろしていた。

「まだ!……諦めたく無いです。」

しゅんと、項垂れる綱手川さんは、ぐっと噛み締め決意をしたように胸を張った。


「彼氏がいないなら、諦めたく無いです!しつこくアピールさせてください!」
「えっ。」


そんな宣言をされるとは思わなくて、私はただ驚くだけで何も言えなかった。


「とりあえず俺を知ってもらいたいので、たくさん話しかけます!電話も…かけさせてください!さんが好きなんです!」


本当に真っ直ぐどストレートに目を見て気持ちを伝えてくる綱手川さんに私は圧倒されてしまった。


「あ…ありがとう…。」


そんな綱手川さんを邪険にすることなんて出来なくて、私は圧倒されたまま何故かお礼を言ってしまった。

「それじゃあ、いつか俺とデート行ってもらえるよう頑張ります!」
「…え?あっ…!」


爽やかに私に手を振ると、綱手川さんはもと来た道を帰って行った。


「…嵐みたいな人だったなー。」


びっくりした。と、胸を押さえ呼吸を整えていると、「ねぇ。」と、後ろから急に話しかけられ、私は驚き飛び跳ねた。


「は、はいっ!」

後ろを振り返るとそこには、とても可愛い女性が立っていた。
私より背が低く、くりっとした大きな目。
髪もウェーブがかり、ふわふわして笑顔の素敵な女性だ。


「今の人…彼氏?」
「いえ、違います。」
「ふーん。」

目をぱちくりとさせ、上目遣いで見てくる可愛い女の子は、制服やスーツと言うわけでもなく、普通に可愛い私服を着ていた。

「私、高専には所属してないんだけど、フリーで活動してるの。貴方とはまた一緒になるかもね!」
「そうなんですね、と言います。よろしくお願いします。」

私は手を出したが、その女性はにこにこ笑って回るように髪を靡かせた。



「よろしくねー!さっきの…気をつけてね!」


綱手川さんが去っていった方をにこにこと見つめながら、フリーだというその女性はそう私に告げた。

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