第14章 二人はずっとずっと一緒
「ここです。すでに前の任務に当たっていた補助監督が帳をおろしています。あの扉から入ったら準一級三体のうち、一体の正得領域内に入るかと思われます。」
暗闇の廃墟。
呪力を感じるのが下手な私でもわかる禍々しい雰囲気。
「おっけー。伊地知は下がってて。」
「よろしいのですか?」
「うん。は僕と行くから。」
わかりましたと、伊地知さんは車に乗り込み、少し離れていった。
「さて。。」
「うん。」
「まずはの力を把握しておこう。」
「そうだね。」
すでにネックレスと指輪はつけている。
増幅された状態で一体どこまでの敵に私の浄化の力が通じるのか。
私は深呼吸をした、
「だいぶ、コントロールできるようになったんだろ?」
「うん…たぶん。」
上々。と、私の頭に手を置き、緊張をほぐそうとしてくれた。
「ただ近づいて触れないとってのが、困るよな。低級は動かなくなるけど、2級以上になるとから近づくのは至難の業だし。」
悟さんに言われて私は考えた。
「…飛ばせないかな。」
「呪力を飛ばす要領か。」
「うん。」
私は指を立ててみた。
「こうやってさ、銃みたいにばんばんって…!」
と、手を銃のふりをして動かしてみると、手から何かが発射され、伊地知さんがさっき言っていた扉に当たり、5センチくらいの穴が2つ空いてしまった。
「わっ!わっ!!」
「…へー。やるじゃん。」
穴の中は赤黒く空間が広がっていて、現実のものじゃないのがわかった。
「ねぇ!出た!!」
「うん。出たねー。浄化も飛ばせるなら話は早い。」
悟さんはにんまり笑って私の後ろに回った。
肩を掴み、後ろから耳元で私に指示を出した。
「。あの扉に手を向けて。そう。両手。」