第2章 物語始動
夢子『凛ちゃん、行ってらっしゃい』
凛「ん」
今日は、凛ちゃんがブルーロックへ出発する日。
16年間ずっと一緒に暮らしてきた弟が、ついに巣立っていくと思うとなんだか感慨深い。
ここに至るまで、凛ちゃんはとてもとても大変な思いをしてきたけれども、だからこそ、凛ちゃんには、世界一のストライカーになるためにブルーロックで頑張ってきてほしいなー
と、凛ちゃんとの思い出に耽っていると、
背後から突然
ぎゅー
と、凛ちゃんに抱きしめられた。
凛「姉ちゃん、俺、姉ちゃんと一緒に暮らせないのやっぱ寂しい」
夢子『別に、永遠のお別れじゃないんだから、ね?』
やっぱり、うちの凛ちゃんかわいいな。
こう思うあたりが、私もたいがいブラコンなのかもしれない。
夢子『それか、ブルーロックのマネージャーでもやろうかn「それは絶対ダメ!!」
え、ちょっと、凛ちゃん、唐突に全力で否定してくるからびっくりしたよ。
というか、私、そんなにマネージャー向いてないかな?
一応これでも、大学院でスポーツ栄養学を学んでいるよ。
何なら、凛ちゃんと冴ちゃんにマッサージとかずっとやってきたし、学生時代もサッカー部のマネージャーをしてきたし…自分で言うのもあれですが、むしろ適任だと思うよ?
そして、凛ちゃんの怒涛の寂しい攻撃はまだ続く。
今日はいつも以上に寂しがりやだな。会えない期間が長いからかな?
ブルーロックでは、携帯を没収されるって言ってたしね。
今日は甘やかしてあげようかな。
凛「姉ちゃん、俺がいない間に知らない人を家に入れたらだめだからな。あと、彼氏作ったら〇す。好きな人作るのも同罪。」
あのー凛ちゃん、姉ちゃん、22歳です。大人です。成人しています。知らない人を家に入れないことぐらい、小学生じゃないので分かっています。
というかですね、凛ちゃんさん、「彼氏作ったら〇す」って何?!
ちょっとうちの弟、治安悪すぎではありませんか?!
私22歳なので、彼氏欲しいし、というかむしろそろそろ結婚相手欲しいくらいなんですけどぉ!!
ダメだ…弟への突っ込みが止まらない!!
「姉ちゃん」
-ぎゅーー
「いってきます」
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