第3章 もう三年生になったよ〜あっという間の時間。
ふとなんだけど、私って前世何してたんだ?
思い返すも、ハイキューの漫画読んでたなー、学校の友達と遊んでたなー位で大人になってからの記憶というものが存在しない。
思い出そうにも思い出せん…!
大人まで生きていた記憶はあるんだけどなぁ。なんでだ?
とても記憶に残らない社畜人生とか!?もしくは暇でゴロゴロとニートしていた!?なんて思ったけど、思い出せないことはしょうがない。
いつか思い出せるといいなぁ、なんて思いながら中学3年になった。
信ちゃんは無事に稲荷崎高校に推薦を貰い、今は2年生だ。
前世の記憶では角名倫太郎曰く、3年までレギュラー取れなかったとの噂を聞いてたけど実際にレギュラーでは無いらしい。
何故、北信介という男の魅力を理解していないのか甚だ疑問である。
でも、実際には当の本人も何も言ってないし、家でもすっごく落ち込んでいる訳ではないから気にしてるかも分かない…どっちだ??
私はと言いますと、家庭科部で培われた女子力??主婦力?が発揮されて家でも活かせるようになってきた。
信ちゃんも
「ほんまの作るご飯は絶品やな。最高や。」
と推しからお褒めの言葉を頂きとても嬉しいのである。
ちなみに、約束していたバレーボールもお家で継続中だ。
基本はパスしかしないけど、ちゃんとやってくれるのは推しである北さんらしい。
そして、部活でもないのにしっかりとアドバイスというか指導してくれるあたりも流石すぎる。バレーボールへの真剣さが伝わってくる。
バレーボール部や運動部自体にはほぼ関わりなんてないが、信ちゃんから練習試合の動画、他校との練習の様子などもみていたのもありスコアやちょっぴりマネージャーみたいなことが出来るようになってきたのはとても嬉しい。
兄には言えない秘密である。
ある日のこと、部活が終わって家でご飯を作っていると推しの声が玄関から聞こえた。
『おかえりなさい、信ちゃん!』
いつもよりご機嫌だったのもあり、浮かれて台所から玄関までお迎えに行く。
ピシッ
いつもとは違う信ちゃんの様子、そして目の前の光景に目を見開くしかない。
『お、信介の言うとった妹ちゃんか、ほんま似てる。俺は尾白アランや、よろしゅうな!』
アラン君やないかーい!!