第4章 めぐりめぐる転生はどこへやら
最初のうちに迷惑をかけてしまうことを北家族にお詫び申し上げた。
うちの子を返して!!
なんて思ってたけど違ったようだ。こっちこそよろしくね、と返される始末。
姉、弟たちは微妙な反応をしていたがそれよりも兄はもっと気まずそうにしていた。
そうだよね、いきなり知らん人が今日から家族!なんてことはまだまだ子ども達にとっては難しいよね〜。
これから少しずつ仲良く?していけると嬉しい。
無事に退院をし、北家まで来た。
畑ひっろ!農業家族だ!
あたりをキョロキョロしていると、その姿が側から見ると面白いようで笑われた。
だってさ、こんな素敵な畑とかなんて都会で見ないから本当に何回見てもあきない。
素敵な場所で過ごせるのか。
そして案内されたのがおそらくこの体の持ち主であろう部屋。あと携帯も。
「ここがの部屋や。なんかあったらいつでも呼んでな。」
そう母に言われたもんだから、とりあえずこの部屋を探索することに。
学生証も見てみると本当に中学生らしい。
教科書、ノートもパラパラとめくるも特に変わったとこはない。むしろ私の字そっくりなのだ。
なぜ?人格とか変わるんだったら必然と筆跡も変わると思うんだけどな。
携帯も開くがやはりロックがかかっている。
とりあえず適当な数字を入れてみるもダメ。同じ番号も…ダメ。
しばらく挑戦するも開く気配が全く無かったので、ふとなんとなく私がいつも使ってるパスコードを打ってみる。
『え、開いた?どいうこと?』
不思議そうにしつつも開いてあるページを確認してみる。
どっかの高校かな、あれ?タブがもう一つ開いてある。
後ろのタブを開くとそこも高校らしい。
『稲荷崎、高校?』
もしやこの子は進路に悩んでるとか?
一応そのページを見つつスクロールしていくと、授業料のとこへ行き着いた。
え!?たっか!私立ってそんなするの!?
『だから、別の高校にしようとしてたのかな?』
真実はよく分からんが、とりあえず某名探偵の如く一つの仮説を立てた。
本当は稲荷崎高校?にいきたいが、お金がかかる。だから、県立高校にしようとしてる。
真実はいつも一つ!!
だと思いたい。