第8章 鶴さんの甘えん坊
鶴さんを物吉くんと日向くんの部屋から連れ出して審神者部屋に戻って来た。
『鶴さん、ここの座布団座ってて〜!今お茶入れるからね!』
そう言って鶴さんの手を引きながら座布団へ連れて行き、私はお茶の準備を始める。
この審神者部屋には政府さんが用意してくれた小さめのウォーターサーバーが置いてある。
里親本丸の審神者が審神者部屋に籠って仕事をする事は
そうそうあるわけではないけど、こうして男士達が落ち着かず私が側にいた方がいい場合や、他の子と居れない子などもこれから増えるだろうと、ウォーターサーバーを導入したのだ。
さらにウォーターサーバーの隣には小さめの戸棚と
ホテルにあるような小さめな冷蔵庫があって
戸棚には茶葉だけでなく、紅茶などもおいてあったり
冷蔵庫には牛乳やジュースなどが入っている。
鶴さんには他の飲み物はまだあまり飲ませてないから
無難に緑茶が落ち着くかなと思ってお茶っ葉の用意をしていたら
急に後ろから抱きしめられた。
『…わっ!鶴さん?どうしたの?急に抱き着いて来たらビックリするよ〜笑』
私は出来るだけ明るく声を出した。
鶴「主……おれ、は、、」
『大丈夫だよ〜、鶴さんは1人じゃない!私が側にいるからね〜』
鶴「……でもっ…!」
『鶴さん、お茶入れたから飲もうか!
はい!隣おいで!』
鶴「………」
『鶴さんに贈った湯呑みだよ〜!やっぱりいつ見ても綺麗だね〜』
鶴「……、主」
『鶴さんは今日もよく頑張ってくれたね!』
鶴「え?」
『二振りを迎えに行く前、二振りの話をした時は大丈夫だって言ってたけど実際迎えに行ったら怖くなっちゃったんだよね?
二振りに私が付きっきりになるんじゃないかって、』
鶴「………大人げないよな、大丈夫だって言っておいて…」
『そんなことないよ?私も鶴さんは大丈夫だって思い過ぎてた。
昨日来たばかりで不安なはずなのに、私を好きになってくれて笑顔を見せてくれて安心し過ぎてた。これは私の過ちで鶴さんは何も悪くないからね?』