第6章 羊の王
太宰「でも彼を連れて行くのは無理だよ。“ポートマフィア”の命令で仕事の最中だからね」
柚杏「そんな事ある訳ないじゃない!そうでしょ中也?」
白瀬「此奴等!ポートマフィアか!」
白瀬はポケットからナイフを取り出し太宰に向かってそれを向けた。
それに太宰は大袈裟なリアクションをとった。
太宰「ぉおー怖い、いやー参った、、、、そうだ、森さんに頼んで人質を解放して貰うから許してよ」
太宰はそう云うと森に電話をかけた。
その様子を見る白瀬達。
ふと、白瀬は中也の隣に立って少し俯いているが気になった。
----此奴もポートマフィアなのか、、、、?
そんな白瀬の視線に気付いたは白瀬の方を見た。
その瞬間、白瀬は胸が高鳴った。
真っ白な透き通った肌、人形のような美しい顔立ち、綺麗に手入れをされているであろう美しい髪、同じ年頃の女とは違った空気を纏っているに見惚れたのだ。
少し頬を赤らめる白瀬に気付いた柚杏は、しっかりしろと背中を叩いた。
太宰の話す内容に白瀬達は困惑した。
白瀬「おいおい、こんな餓鬼に人質解放なんて権限あるのかよ?今の電話、首領を顎で使っているみたいだったけど」
半信半疑の白瀬達、その時彼の携帯にメッセージが届いた。
なんと全員無事に解放されたとのことだった。
喜ぶ白瀬達とは裏腹に太宰がすんなりと人質を解放したことに中也は不信感を抱いた。
「手前何を企んでいる」
太宰は笑顔で"友情の証さ"と云った。