第38章 番外編Ⅱ おめでとう【蜂楽視点】 ✢
何日か経って“青い監獄”のみんなと渋谷で遊んだ。
学校休みの日だったし、夢もおいでよって言ったんだけど……
“そういうのは男子同士で行かなきゃ。
それに私、バイトだからさ。”
って言われて、俺ひとりで行った。
初めてできた、たくさんの“ともだち”。
俺のサッカーを評価する人間じゃなくて…
アイツらとは高め合って潰し合える、ホントの“ともだち”になれた。
男同士ワイワイ遊ぶの初めてだったから、
夢の言う通りすっげー楽しかった。
その夜、俺は夢とも大事な約束をした。
“俺、夢ちゃんとデズニィーも行きたいにゃ♪
絶対楽しいやつじゃん!”
“行けたら楽しいだろね!もうかなり変わってるんだろうなぁ。”
初めてデートした原宿で、こう言ったの覚えてる?
“行けたらいいね”を実現する。
それって色々乗り越えてきた今の俺達にとっては、びっくりするほど簡単なコト。
キスできたらいいな。
セックスできたらいいな。
恋人になれたらいいな。
全部全部、俺達は叶えてきたんだから。
「廻、すっごく嬉しいっ…!楽しみだね…!!」
「うん、夢の卒業遠足だね♪あ、卒業式の日は学校行くからね。夢の晴れ舞台だもん!」
「でも廻、有名人になったから…。一緒にいられるといいんだけど…。」
「逢いに行くに決まってるでしょ?何があっても。」
3月に入ってすぐ、夢の卒業式の日が来た。
元生徒会長の夢は、卒業生代表でスピーチする。