第37章 番外編Ⅰ 意外なヤツ【潔視点】
「え…でもっ。スーパースターですよ…?日本が誇るサッカー選手、なんですよ…?」
「蜂楽の彼女は、俺らの友達!ってコトで!」
「だな。ぷはっ…!つかコイツ寝てない?昨日今日と、はしゃぎ過ぎだったからな。」
膝枕の上で指をしゃぶり、いつの間にか気持ちよさそうに寝息を立てる蜂楽。
「……おっけ、あいぼ……そこ、しょーち……」
幼児みたいに寝言を言う彼氏を見て優しく顔を綻ばせた蜜浦さんは、今日一番の笑顔で言った。
「ありがとう……!
廻と“ともだち”になってくれて……!」
蜂楽が夢の中で良かった。
不覚にも、またドキッとしてしまって……
彼女みたいに、顔が赤くなってるんじゃ…って思うと
気が気じゃなかったから───。
「バイバーイ!また渋谷でねー♪」
仲睦まじく手を繋ぐ蜂楽達が微笑ましかった。
蜂楽は強いヤツだけど、その根源は彼女でもあるんだと思った。
“潔にもできるといいね。心から愛し合える人が♪”
俺にもいつか……こういう人ができたら……
そんな理想論を
妙に真に受けてしまったドキドキを誤魔化しながら…
三ヶ月ぶりに家に帰った。
✢ 番外編Ⅰ 意外なヤツ END ✢