第22章 一日一顔 ✢
忘れてはならないのは……
“廻物展”の“かいぶつ”は、
蜂楽の中に棲む“かいぶつ”だ。
蜂楽のイマジネーションをインプットして、
私のイマジネーションでアウトプットする。
このデザインに、余すことなく体現したい。
ふと思い立って、もう一冊クロッキー帳の表紙をめくる。
新しい白い紙に置いた手は、自然と好きな人の顔を描いていく。
“いくっっ!!!!”
今日、海に誘った時に見せた、キラキラの表情。
鉛筆でラフに仕上げた蜂楽の顔は、私の脳内に焼き付けたその瞬間のまま。
クリクリの可愛くて大きな眼にはあどけなさを感じるのに、フェイスラインは案外シャープで、筋肉が付いた首には男っぽく喉仏が出る。
短い眉とパッツンの前髪は蜂楽の個性を引き立てて、クセのある外ハネは自由な角度で遊ぶ。
「……ふふっ。可愛く描けた。」
白い紙の上に現れた、大好きな人。
毎日、大好きな蜂楽を描いていこう。
一日一顔、その日にしかいない……
特別なあなたを。
このルーティンは……必ず私の支えになってくれる。
時にはモチベーションに、時には慰めに。
時にはヒントに、時には愛の証明に。
なんて、今は漠然とそう思ってる───。