• テキストサイズ

【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第21章 父と母





「ホット。」

「はい。」

「……私は……」

「早く決めて、夢。」




メニューにある、数種類の紅茶に惹かれる。


好きだった紅茶、毎日飲んでた紅茶。



一年間……手が付けられなかった紅茶。




“トラウマの鎖”は……もう切れた。


もうそろそろ、飲めるかな……?




……ううん、紅茶が飲みたい。




「アールグレイ、ストレートでください。」




私が紅茶を好きな気持ちに……


蝉川(アイツ)はもう、関係ない。




今日は私が、自分の殻を破った日なんだから。






「夢。あの廻って子と付き合ってるんでしょ?あーゆーのが趣味なんだ?」



飲み物を待っている間、お母さんは核心を突く。



「……う、うん。まぁ、そんなところ。」



さすがにもう言い逃れできそうもないから、そう答えた。

厳密には“ニセ彼氏”だけど。




それにしてもお母さんは、私の居候先が男子の家だって知っても驚かなかった。



年頃の男女がひとつ屋根の下なこの状況。

絶対、何か言われると思ったのに……。




「お父さんには黙っててあげる。」


「……あ、りがと……。」




そう言った母の表情は、どこか影があった。




「妊娠だけは、気を付けなさいよ。」




解ってる。


それはもう……解ってる。




「……うん。」




冷たい圧。



体調に気を付けて、とか。

夢に近付くといいね、とか。



そういう言葉はもう……


両親(あなたたち)には、期待しない。


/ 514ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp