第14章 ニセモノのやり方 ✢
「お互いに愛し合えば、恥ずかしいコトなんてひとつもないよ?」
「……愛、って……」
クリッとした可愛い眼を見開いて、真顔で言う蜂楽。
また小っ恥ずかしいこと言う。
「モチロン、恥じらってる夢ちゃんは可愛いし大好きだけど♪」
ニセモノの、恋人関係……なのに。
「夢ちゃんの新しいトコ、知る度に思うんだ。
もっともっと知りたい、って。いいトコも悪いトコも、俺にはぜーんぶ曝け出して欲しい、って。
それが、愛なんじゃない?」
“俺ね、今日で夢ちゃんのコト…もっともっと知りたくなった。
夢の続きを取り戻した夢ちゃんは、すっげーかっこいい。”
前にも蜂楽は、そう言ってくれたね。
私も同じ気持ちだよ、って……
言おうとしたけど、言えなかった。
核心を突くような物言いで……
“愛”と言うその表情が大人びてて……
心臓が跳ね上がるくらい、ドキッとしたから。
お願いだから……
その綺麗な黄色の眼で、私をじっと見つめないで。
心が見透かされそうで、また恥ずかしくなっちゃう。