第5章 乙骨憂太 嫉妬
五条先生の長い指が
つぷりとナカに入ってくる
『〜っ!!』
さっきまでの余韻で敏感になっていた身体がびくりと跳ねる
「どこだっ‥」
『ふっ‥‥んぅっ‥‥』
何かを探すようにぐちゅぐちゅと掻き乱されて思わず声が漏れてしまう
「こんな奥にっ‥‥」
先生がナカで何かを摘むと吸盤が剥がれるような感覚がして先生の指と共にナカから出てくる
『はぁっ‥‥せんせ‥っ‥なにが‥‥?』
「ん〜‥見ない方がいいかな‥これは僕が祓っちゃう」
ボワっという音と共に炎が燃え上がり
先生が優しく微笑んだ
「よく頑張った」
ホッとしたように身体をキツく抱きしめられる
「僕の理性もよーく耐えた‥‥」
『?』
耳元でこそっと呟いた小さな声は聞き取れずに携帯の着信音によって掻き消された
「憂太達か‥ちょっと待っててね」
そう言って立ち上がると少し離れたところで電話をとる
辺りを見渡すと黒と白を貴重にしたシンプルな部屋の中
五条先生のスーツやシャツが壁にかかっていた
初めて入る先生の部屋の中
電話の先の憂太達の事が気になるけれど
またぐったりと身体の疲労感が波のように押し寄せてくる
棘くんは本当に大丈夫だっただろうか?
憂太と真希ちゃんは‥
そんな事を考えながらも次に目を覚ました時にはしっかりと服を着ていて
目の前には心配そうな顔をしたみんながわたしを覗き込んでいた
『あ‥れ‥‥みんな‥?』
夢かな?と思った途端に
ギュッとみんなが布団に突っ伏すようにして抱きしめられる
「ちゃんっ‥‥良かった‥」
『憂太‥』
「心配かけんじゃねぇ‥」
ぐすりと目元の涙を拭って真希ちゃんがいつもみたいに笑う
「おかか‥」
申し訳なさそうに俯いた棘くん
『良かったっ‥棘くんも無事だったんだ‥』
思わずギュッと抱きしめると左右から憂太と五条先生が私達を引き剥がした
「とりあえず‥今日は授業なしで!!みんなよく頑張った!」
パンパンと手を叩いてその場をまとめるともう一度頭を優しく撫でられる
「本当に‥よく頑張った」