I’ve been thinking about you.
第15章 世界が壊れた音 オーターさん
(ワースは家を出た)
最後に行先は言われなかったが
心做しか、表情が昔のようだった
『兄貴の分も壊してやるよ』
(未だにあの顔が焼き付く)
何かを決意した顔に言い方
そして
チャリッ···。
「渡されたピアス」
『あー、兄貴に渡すよう言われたんだよ』
『箱ですか』
『···昔話してくれた魔法使いさんから渡された』
『魔法使いさんが··どこで出会った!』
『···信じねぇだろうが、夢だよ』
『夢··?』
『だけど、魔法使いさんは最後まで兄貴を心配していたぞ』
『そうですか、···ありがとうワース』
(魔法使いさん···あの夜を最後に会えてない)
「···会いたい」