第45章 ※激情Ⅱ
[…………え]
(何言って)
[俺だったらお前にそんな顔はさせない]
[何があっても]
(………どういうこと?)
梶さんの言ってることが理解できてない
目が点になるとはこのことだろう
これではまるで
(私を"好き"だって言ってるみたい…)
"告白"のように聞こえているのは私だけなのだろうか
けれど冗談ではないのは理解できる
梶さんの瞳は真っ直ぐこちらを捉えて私を掴んで離さないのだから
[………好きだ]
[ 好きだ]
(は…)
[え……………]
聞こえているようじゃない
告白だ これは
思わず息を呑む
まさか私にそんな感情を抱いてるなんて思わなかったから
どう返事すればいいか分からないけど
(………ああ)
本気だ 彼は
だって"恋"をしているのだから
私と同じ顔つきをしているもの
けれど
(…………)
今そんな事を言われても受け入れることはできない
"あんな別れ方"をしたあともあるしそれに梶さんをそういったように想ったことはなかった
友人のように思ってはいたけれど
(……最低だ)
鈍感な私に腹が立ちギリっと奥歯を噛む
これでは彼の思いを踏み躙っていたようなものだ
(……私なんか受け入れる器じゃない)
[…………………]
何をどうしたらいいものか分からない
梶さんは何かを察したのか口を開き
[……お前が気づかなくて当然だ]
[俺は告白しないつもりだった]