第27章 一歩Ⅰ
引き寄せられて突然体と体が密着している
唐突に抱き寄せられていた
(な…なんで…………)
あまりの展開の速さに驚きを隠せない
私の心臓の鼓動がまた早まるドクドクドクドクと五月蝿いくらいに
(…………暖かい………それに…)
気の所為かもしれないけど前より条くん体が筋肉質になったような厚い胸板それに腕も太くてたくましくて
(…………て…!不埒すぎる………)
[……………………ごめん ちゃん]
(……………ってあれ……)
邪な考えをしていたからなのかぐいっと引っ剥がされるあんなふうに密着していたのが嘘のよう何故かはわからないが少し距離を置かれる
(な、なんで……?)
行動が理解できず呆然としてしまい口が開いてしまいそうだ
[…………言わないとぉ…]
[………今がいいよねぇ………]
離れたあと何かブツブツ言っている
小さい声だからか全く聞こえないが
言って悪いけど今日の条くん本当にどうしたんだろう
人の事言えないけどさっきからおかしいように感じる
[ …………ちゃん……]
[こんな事してなんなんだけどぉ…]
[……………?]
また突然どうしたんだろう
今日は不思議なことばかりと言っていいのかいやもうどう捉えたらいいんだろうか
でも彼の言うことだから変なことではないはずだよね
そう気楽でいられたのは言葉を聞く前までだった
[……………………ちゃんと言わせて欲しくって]
[俺とぉ]
[付き合ってほしい]