第26章 緊張
[ちょ〜じぃ]
[お姉ちゃん〜!!]
[わっ…………丁子くん!]
物凄いスピードで私に抱きついてくると
[ん……?なんだ……]
[兎耳山…?もう来たのか…?もしかして?]
[有馬ぁ……もうじゃなくて来てるんだよぉ]
[………………]
[うわ………めっちゃ……可愛い子じゃね?]
[しっ!聞こえるぞ十亀さんに!]
色々と言いながら何故か後ろからわらわらと人が来はじめる
(こ……これが……)
(わ、わ…………)
怖い
私より背の高い人達があっという間に何人も囲んで来ていて思わず固まってしまう
丁子くんは私に甘えてムギュッと抱きついたままだが無意識に背中に手を回してしまう
(ひ……ひぃ………)
汗が滲み出る
あまりにも急展開な事ばかりでどう反応したらいいかもわからずにいると
[まぁまぁ〜]
[みんな落ち着いてぇ〜]
[怯えちゃってるから ねっ]
(条………くん………)
助け舟を出してくれたようだほんとにありがたい
おかげでふっと力が抜ける
条くんがそう言うと
[ああ〜それもそうだよな…ワリィワリィ]
[ひっ……や、やりすぎたのかなこれ…]
[……………………俺は何もしてないです]
[すみません!十亀さん!]
彼の一声でみんな落ち着いてくれたようだ
流石というべきか彼は慣れているのか分からないけどもしかすると彼らのまとめ役な所があるのだろうか
かっこよくて胸がキュンとしている所に
[もうみんなぁ〜]
[急かしすぎなんだよ〜]
私の胸にうずくまりながら説得力のない発言をする
彼らしい発言にふと
[ふ……ふふふ………]
笑いがこみ上げてくるそれにみんなも釣られたのか
[ぷっ……お前な〜…]
[というか説明が先じゃない…?これ?]
[……………俺もそう思います]
[兎耳山さんらしいよなっ!はは]
[もうちょーじぃ……]
(なんだか…)
もしかしてこれが彼らの雰囲気なのだろうか
柔らかくて和やかに感じる
彼らの一員になれたわけではないけれどこの輪にはまれて居心地よくいれていた