第25章 オリへ
[[え………………?]]
[お姉ちゃんー♪]
そう言い丁子くんは私に抱きついてきたものの
またもや私達は同じ発言をせざるを得ない
申し訳ないけどそんな理由でと私は思っていたけど何だか
[ふふふふ……]
[可愛い理由だね…]
丁子くんの頭を撫でながら笑みが溢れてしまう
きっと甘えたくてふざけて言ったのだろうけど弟のように思っているからこそ可愛くて仕方なかった
[…………………]
[えへへ〜♪もっと撫でて]
[はいはい]
ニコニコと言いながら催促してくるので撫でていると
(…視線感じるな……条くん…?)
もしかしてこれが丁子くんの言っていた事なんだろうか
冗談だよねとなんとなく思っていたけど
今丁子くんは私の胸の中に抱きついているから顔が見えないタイミングがいいにも程があるほど
本当のことを言っているのだろか確かめたくて恐る恐る後ろに見てみる
(………………あ…)
鋭くていつもの条くんとかけ離れている目線
身震いがする
これはまずいと本能的に悟る
[え…え〜と丁子くん…!]
[お、お茶淹れるからさ…]
[あ、あっちで待っててね…!]
冷や汗が止まらない
修羅場になりそうな感じがしてならない
そうなる前に急いで縁側に戻って欲しくて思わず言葉が早口になってしまう
[え〜〜もう少し撫でて欲しいけど…]
[お姉ちゃんが言うし待ってるね〜!]
[じゃあね〜!]
名残おしそうにしつつもその場を走って去ってくれた
(ま、まずはよかったのかな……)
前からちょこちょこと抱きついて来てはいたけどよく考えてみるとみんなの前でしてたりしていたから条くんと一緒にいる時はしなかったかもしれない
あの子なりに配慮してたんだろう
(はぁ〜……でもこの空気は…)
本当にどうしよう
そう思っていた時だ
[ちゃん]
[誰にでもそうするのぉ?]