第34章 猫の恩返し 中原中也
溜まりに溜まった書類を片付け、息抜きがてら街に出てきた。
相変わらず人の多さに、大人しく寝とけば善かったと後悔した。
街には友達同士、家族、恋人たちで賑わっていた。
今日は何故か恋人たちばかりに視線を移していた。
幸せそうなカップルを見て思い浮かぶのはだ。
相当重症だと自分でもよく判った。
恋人でも作るか、、、、なんてしょうもないことを考え乍ら歩いていると一人の女が目に入った。
前から歩いてくる女は綺麗な白髪で色白の女だ。
不自然に俺の方を見ないように歩く姿に違和感を覚えて、そっと彼女の背後を追いかけた。
女は少し先へ進むと突然路地裏へと身を隠そうとした。
その時だ、、、
「ッ!!アレは!!」
風で女の髪が浮いた時、彼女の首につけられていた物に何故彼女のことが気になったのか理解した。
それは俺がにあげたチョーカーだったのだ。
その瞬間俺は女の手を掴み勢いよく壁へと押し付けた。
チョーカーを何処で手に入れたのかと訊くも何も答えない女に痺れを切らした俺は吐かせる為に彼女の身体に壁にめり込ませを押し付けた。
苦しそうな声をあげる女、ふと彼女に目をやった瞬間、、、
目が合ったのだ。
彼女の瞳を見た途端、ほんの一瞬俺は脳の動きが停止した。
見覚えがあったのだ、、、
彼女の瞳に、、、、