第2章 【妊娠、出産編】
「あたんめーだよ!笑 不安も共有したいから。
だから…ね?ひとりで頑張って
親になろうとしないで?
…オレも一緒に、親として成長させてよ」
「ずる…そんなんずるいわ…苦笑 なんなん笑
妊娠中からベストファザー賞でも狙っとるん苦笑」
「ふふっ世間的な賞は要らないけど…
廉からのベストパートナー賞は常に狙ってるよ笑」
「……そんなん、とっくやし。」
「とっくだった?」
海人がクスクスと笑いながら
嬉しそうにおでこを擦りつけてくる。
「じゃあ、それだけで充分だわ!
ちなみに廉はオレの…
ドゥルルルルル…」
「ドラムロールだるいって!笑 はよ言えって!笑」
「ベストBAE賞でした!」
「なんそれ。ベストべー?べーって何なん?
どういう意味なん?」
「Before Anyone Elseの頭文字をとったスラングで
『誰よりも先に』転じて
『いちばん大切な人』だよ!」
「え?!それ!!むっちゃええやん!
それ俺も真似したい!」
子どもみたいにはしゃぐ廉に思わず、笑みが溢れる
「いいよぉ!じゃあさ、こうしない?お互いが
お互いに毎年ベストBAE賞を贈り合うの!」
「むっちゃえぇやん、それ!!
子どもが産まれても…やる?」
「やるに決まってんじゃん!!
子どもが産まれても、
オレの一番は一生廉だから…!」
廉が隣で笑ってくれるだけで
こんなに、幸せ。
*
「なぁ、なぁ!見て、これ!!」
ベッドに入って
スマホを弄ってた廉が話しかけてくる。
「ん?なに?」
「歯並びってな、父親から遺伝する確率が
高いらしいで?!安泰やなぁ!!」
オレの歯並びを永遠に褒め続けてくれる廉が
ほくほくしながら報告してくる。
「そうなんだぁ!廉に褒めてもらえるのは
嬉しいけどさ?廉もいいじゃん、歯並び。」
「まぁ、悪くはないとは思うねんけど、
海人の歯が理想やもん。
海人の口にぴったりの長方形で小粒の歯が
キレイに並んどってさ…」
あ…これ始まったら長いヤツだ苦笑
と早めに切り上げる。
「ありがと笑 でもそういうの想像すんのも
楽しいよねぇ!ね、顔とかはさどっち似と思う?」
「そうやなぁ…まぁ、俺似やったら男でも女でも
それなりにえぇ思いできるんは保証するわ笑」