• テキストサイズ

依々恋々 -Another story-

第37章 FRIENDS


「よしっ!シャンクスっここにサインくれ」
ルフィが差し出した書き取り帳に、まあ多少雑だが、とサインする。
ウタにもサインしてやると、遊びに行く!とはしゃぎだす。

「ウタちゃん、髪、解こうか?」
昨日仕込んだ編み込みを一つずつ解す。
部屋着から着替えたシャンクスが、ジウが櫛を通す髪を見て、おお、と声を上げた。
「ふわっふわだな」
髪を整えたジウは、昨日、シャンクスがウタにやった髪飾りをつける。

「どう?」
「いい感じ」
ありがとう、と見上げるウタに、いいえ、と微笑み返す。

「うまくいくもんだなぁ」
「慣れると簡単よ?よくサナと一緒に、リナやハナの髪をやってたから」
「リナ?ハナ?」
「サナの妹」
そういえば、恋人の親友はきょうだいが多かったな、と時計をはめる。
「ジウの支度が終わってないだろう?」
二人は見とく、と机を片付けるジウに頷く。

「行き先は決まってるのかぁ?」
「あのねっ可愛いお店が見たくて...」
「この前のひっろーい遊ぶとこみたいなところに行きたいぞっ!」
しばらくかかりそうな行き先会議で盛り上がる二人を待たせないように、と自身の支度に取り掛かった。

 ✜

「よしっ」
洗面所の鏡でメイクの仕上がりを確認する。
ポーチにコスメをしまい、梳かした髪を片方に寄せて結ぶ。

寄せて置いていた箱を開く。
花びらがきらめく髪飾りの位置に悩むと、一度結った髪を解く。

「ジウ」
さっきよりも高めに髪を纏め上げたところで、洗面所を覗くシャンクスに振り返る。
なにか言うでもなく見つめてくる彼に、なぁに?と首を傾げる。

スクエアネックのリブシャツに柔らかなシルエットのボトム姿のジウ。

「動きづらくないか?」
長いスカート、と言うシャンクスに、片足を上げる。
「ワイドパンツです」
「なるほどな」
少しリビングの方に目線をやって、洗面所に入る。
高く纏めた髪をふむ、と見て、ジウの髪に触れる。
「このくらいのところで半分結って、ここにつけたらどうだ」
耳の上辺りから髪を掬い上げる。
シャンクスの言う通り、ハーフアップで結ってカメリアの髪飾りをつけた。

「かわいいぞ」

さらり、とおろした髪払われる。

首裏に彼がつけた跡が見えていることにジウは気づかなかった。
/ 142ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp