第11章 忍びの地図【アズカバンの囚人】
さらに、アーサーからの返事も『すまない』と謝罪とホグズミード行きを諦めてほしいとの連絡だった。
アリアネの今年のホグズミード行きは駄目となってしまったのだった。
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ハロウィーン当日。
ハリーとアリアネはなるべく普段通りにしていたけれど、落ち込みようは周りが見てもわかるぐらいだった。
「ハニーデュークスからお菓子をたくさん持ってきてあげるわ」
ハーマイオニーはそう言って元気づけようとしていた。
「ウン、たーくさん」
ロンも慰めようとしたけれど、2人が元気になる様子はなかった。
「僕のことは気にしないで。パーティーで会おう。楽しんできて」
「そうよ、私のことも気にしないで。楽しんできてちょうだい」
その後、ハリーはグリフィンドール寮へと戻っていきアリアネはリーマスの所へと向かった。
最初はリーマスが勝手にホグズミード行きの許可を無しにしたことを怒っていたけれど、自分を心配していると思って怒るのを辞めたのである。
「ねえ、リーマス。ブラックは本当に私を狙っていると思う?ハリーならまだ分かるわ。でも私は……ただその場に居合わせただけよ」
アリアネは椅子に腰掛けながら、授業の教材の準備や羊皮紙を準備していたリーマスに話を投げかけた。
ずっと彼女は自分が狙われている理由を謎に思っていたのである。
「知っているかな。例のあの人は、フリート家を狙っていたのを」
「ううん」
「……フリート家が不老不死だという噂があるのは知っているね。例のあの人は不老不死を求めていたという話があるんだ。だからこそ、フリート家を滅ぼした。その血を飲めば、不老不死になれると思ってね。……ブラックは例のあの人の手下だった。だから、君をあの人に献上すれば不老不死になると思っていたのだろう」
「不老不死なんて……ただの噂なのに」
アリアネはそう呟きながら、教室から廊下を眺めている時だった。
ハリーが教師の前の廊下を通りがかったのである。
「あら、ハリーだわ」
「おや?ハリー?」
ハリーは声をかけられてキョロキョロとしてから、リーマスとアリアネを見つけた。
「何をしている?ロンやハーマイオニーはどうしたね?」
「ホグズミードです」
「リーマス、私ここにきて最初に言ったわよ」
「そうだったね……」