第9章 ネザー要塞へ
「次はなんだ……?」
MENはネザーゲートから離れ、何もない草原で警戒深く辺りを見回す。いよいよ画面上のゲージがゼロになった時、アレは現れた。
「白虎たいたいだ!」
MENは声を上げて走り出した。白虎たいたいに一発殴られるも、掠っただけなのか致命的ではない。MENは白虎たいたいからある程度距離を取ってから振り向き、すかさず弓矢をつがえた。
それから間も開けずに矢を放つ。矢は見事に命中した。
「これ、いけるのでは?」
と言ったMENは、PSが高くないとそう簡単には出来ないだろう動きで素早く距離を取ってからまた振り向きざまに弓矢を射る。それを三発、狂いなく命中させると、白虎たいたいは倒れてデスポーンした。
「あ、白虎たいたいは倒せるんだ!」
この鬼畜、まだ舞えるぞ。さすがMEN、という賞賛のコメントが流れる中、まだ油断は出来ないと釘を刺す視聴者たちもちらほらといた。歯茎はまだ出してはいけない、と。
MENが果たして本当に油断したかどうかは視聴者たちには伝わらないまま、この平穏な時間に何かしらの要塞を見つけたいとネザーゲートへ舞い戻る。食料がないのは心許ないが、仕方ない。とにかく見つけるだけ見つけるぞと再びネザーへ。
ネザーは二つ目のゲートと同じ、玄武岩デルタと荒野の境目辺りから出た。MENは座標と自分の記憶を頼りにすぐに保管していたツールを発見した。
「いや、でも新しく作ったツールがあるし、ここに予備として置いとくのもありか?」
ということでMENは、そこに置いたままのツールをそのままにして要塞を探しに出た。白虎たいたいを倒し、そのまま次の「アレ」までは何もないという余裕があることから、MENは要塞探しに集中することが出来た。
「あ、あったあった」
そしてMENはすぐに発見した。
ネザーレンガで出来た太い柱で支えられる建造物を。
「……最悪な場所にあるな」
マグマの海の向こうに、ネザー要塞が建っていたのだ。