• テキストサイズ

現代版おとぎ話

第4章 北風と太陽〜居場所のない家庭生活


ファミレスに入るも落ち着かない。周りはカップルや家族連れで1人で来店してるのは私だけみたいだった。
ここはビールでも頼みたいところだが、酒臭いまま家に帰るわけにはいかず、コーヒーとナポリタンを頼んで待つことにした。

昔は家族で来ていたファミレスも行かなくなったし、家族で外食も行かなくなったなぁ。


家族で外食していた頃が懐かしい。あの頃は家族間の仲がよく、外食して楽しかったなぁ。


ーーーー。


お子様ランチも食べなくなって大人用のを食べ始めて特に長男の琢磨は食欲旺盛で驚いたけどそれも思い出だったな。

お昼が終わってお会計を済ませるとやることがなかったので図書館で時間を潰すことにした。


夕方になり、妻より帰ってきていいと連絡があり私は家に帰宅した。ふぅー長い1日だったなぁ。下手したら仕事より疲れたぞ!

「ただいま。」
なんて言ってももう誰も出迎えてくれないか。そう思っていると娘が私の方にやってきた。
「あんたさぁー言ったよね?あたしが今度、雑誌で表紙飾るんだから投票しといてよって。1人でも多くの票を取りたいんだから協力してくれなきゃ困るんだけど?」
「すまん。忘れてた。」

娘の海夢はギャル雑誌で活躍しているため雑誌予約を取って買わなきゃ行けないらしい。雑誌は買っていいけど読まないでくれとはなんとも理不尽ではないか。

海夢のこと応援したいから雑誌を読んでいいかと聞いたらキモいから読むなとー。

別に性的な目で見るわけじゃない。父親として微笑ましく読ませてもらうだけだ。なのに勘違いされて読ませてくれない。まぁ、若い子向けの雑誌なんておじさんが読めるわけないか。

そりゃそうだよなと、私が自分に納得していると海夢が呆れて去って行った。

そしてこの日の夕食は鍋だったのだが、妻と子供達は楽しく会話しながら食べているが、私は会話に入って行けずに孤立状態だった。
なんだか鍋が味気なかったなー。
/ 168ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp