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【KP】BL

第23章 【不自由な僕たちは】






「ありがとぉ…」

「あと、永瀬くんが嫌じゃなければですけど…
海人の家、僕の帰る方向と同じなので
途中まで一緒に行きませんか?」

「えっ…ええの?」

「もちろん。海人の家まで行くつもり
だったので、むしろ僕の方こそありがとうですし。

あ、1つ確認なんですけど、
猫アレルギーとかじゃないですよね?」

「違うけど…何で?」

「結構、猫いるんで。」

「自分、むっちゃ親切やん!ありがとうな!!」


俺の友だちのタイプとは違うけど
海人の友だちもやっぱ、ええやつやん!


さっき心の中でコイツ呼びしちゃってごめんな、
なんてこっそりと謝る。




***




髙橋くんの家より学校寄りやったらしい加藤くんは
「あ、じゃあすいません、僕ここなので…。
海人の最寄りは次の次です。
それじゃあ…よろしくお願いします!」
ご丁寧にあいさつしてひと足お先に降車した。


髙橋くんの最寄りのバス停に降り立つと
この辺りで育ったんやなぁ…としみじみする。


のどかでええとこやん、とか
ここの駄菓子屋に子どもん頃は通ったんかな、とか
この公園で遊んだんかな、とか


書いてもらった地図を片手に
物思いにふけりながら歩いとったら、
あっちゅーまに辿り着いて。


そーいや、びっくりしてほしくて
連絡せんかったけど…大丈夫やったかな、


なんて、今更ながら不安に襲われたりしちゃったけど
表札も『髙橋』やし…えいっ!


意を決してインターホンを押す。


『…はい』

「あっ突然すいません、海人くんの友だちの永瀬
といいます。お休み分のプリント持ってきました。」

『わざわざどうもすいません、いま開けますね』


玄関から出てきたのは優しそうな
ほんわかした可愛いママさん。


「わざわざありがとうございます!
もう熱も下がってきたから明日には学校に
行けると思うんですけど…
よかったら、上がっていかれませんか?」


ゆっくりめの話すスピードが
海人にそっくりで初対面やのに
謎の安心感を覚える。


「あっじゃあ、お言葉に甘えてお邪魔します…」

「ふふっ、ありがとう。」


案内された部屋のドアを
ママさんが軽くノックして


「海ちゃん?お友達の永瀬くんがいらしてくれたから
お通しするわよ?」


はぁっ?!ママ、何言ってんの?!













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