第20章 【囚愛の果て】

「ふふっごめんね？オレは…嘘じゃないよ。
　もう、紫耀に疲れちゃった苦笑」


そう、薄ら笑う海人。


「オレさぁ、ずっと独占欲強い方だって思ってたの。
　けど、違ったのかも。紫耀はホンモノじゃん。
　
　紫耀は…どれだけオレが愛しても
　愛されたりないじゃん。
　自分以外の人間のこと信用できないじゃん。

　廉のことにまで口出しされたら
　さすがに付き合いきれないよ…苦笑」

「海人っごめんっ！行くなって！！」

「こまごましたオレの荷物、捨てといて」

「海人！！」


玄関に向かおうとする海人を後ろから抱きしめる。




「…そんなに、行かないでほしいんだ？」

「うん…」

「じゃあさ、オレがダンス仲間と練習してるとき
　たくさん連絡してくんの、やめれる？」

「やめる！」

「門限とか決めないで楽しんできてねって
　気持ちよく送り出してくれる？
　あてつけがましく迎えに来て待ったりしない？」

「ど…努力する！！」


俺に抱きつかれていた体をゆっくりと向きなおして
まっすぐに見つめてくる海人の瞳に射抜かれる。


「じゃあ…オレと廉の関係に
　二度と、口出ししない？」

「しない！！絶対にしないから…」




俺のその言葉を聞いたあと暫く目を瞑っていた
海人だったけど、ゆっくりと言葉を紡ぎだした。


「……ねぇ、昨日の、、やだった。

　廉のこと穢されちゃったみたいで…
　本当に、嫌だった…。」

「それは…ごめん。だけど、」

「だけどじゃなくて！もう、絶対にしないで！！
　廉は…廉はオレの聖域なの。
　二度と、踏み込まないで。
　その約束守れないなら…無理だから。」

「……わかったよ、」




ほらな。
どうして俺がこんなに廉をおそれてるのか。


海人はやっぱり、全然わかってない…