第6章 出張2日目
〜浅岡雄也side〜
僕は仕事終わりに仕事で大阪に来ていると言う元メンバーの小橋から居酒屋に呼び出された。
「ごめん、急に呼び出して。」
小橋が先に来て居たのでカウンターに座ってる小橋の隣に腰掛けた。
「いや、良いよ。僕も会いたかったし。解散以来だな。久しぶりだな、小橋。」
そう言いながら、テーブルにスマホを置いた。
「あぁ、久しぶり。」
「小橋は今、ドラムの講師をしてるって言ってたな?」
僕は、お酒とつまみを注文した。
「あぁ、浅岡は今、仕事で大阪に?」
お酒を飲み、つまみを美味そうに食べながら聞く小橋。
「あぁ」
「ところでさ、やっぱり居たのか?彼女。それを聞きたくてさ。」
と言ってお酒をグビグビ飲んだ。
「あぁ、やっぱり居た。でも彼女、僕が浅岡雄也だって全く気付いてない。」
そう言って僕は頭を抱えた。
「はぁ?何で気付かないんだ?彼女、浅岡の推しだろ?」
そうだよなぁ。
そうなんだよなぁ。
いや、ただの推しだと思ってたけど恋愛対象として好きらしい(ニヤッ)。
これは小橋には言わない。
僕だけの秘密だ。
そう思ったら完全に顔がニヤケてしまった。
ヤバっ、小橋に見られる、ニヤケ顔。
「浅岡は本当の事、言わないのか?」
それは僕も考えたけど言うタイミングが、めちゃくちゃ難しい。