第6章 出張2日目
その日は、一日中、課長は機嫌が悪くて話しかける事が出来なかった。
珍しい、あんな課長。
機嫌が悪い理由が分からなくて戸惑った。
やっぱり私の所為?
課長のスマホに誰からか電話がかかって来たみたい。
私の席から少し離れた場所でスマホに出た。
「もしもし、、、あぁ、そうなんだ。、、、分かった。丁度良かった、僕も話があったんだ。、、、じゃ、その時に」
電話の相手は誰だろ?
何か親しそうに話してた。
課長は電話を切ってチラッとこっちを見たから目が合った。
その瞬間、目を逸らしてしまった。
ビックリした。
課長が、こっちを見るなんて思ってもみなかった。
何でこっちを見たの?
何か言いたい事があるの?
分からなくてモヤモヤする。
気を取り直して仕事に集中した。
集中、集中。
「はい、コーヒー」
担当者と打ち合わせをしながらパソコンにデーター入力してると社長がコーヒーを入れて渡してくれた。
「あっ、鶴田社長、ありがとうございます」
受け取ってコーヒーを一口飲む。
コーヒーの香りって何だかホッとする。