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*名探偵コナン*短編集*

第4章 *File.4*降谷 零*(R18)


「明日は非番だな」
「…はい」

何故だ。
途轍もなく、無性に嫌な予感しかしないのは。

「11時にそこへ行くように」
「…は?」

差し出された名刺を手に取ると、高級料亭の名前がそこに記されていた。

「例の件も落ち着いた。お前もそろそろ身を固めてもいい頃合いだ」
「いえ。僕はまだそんなつもりは…」
「上司からの命令だ」
「……」
「お前にとって悪い縁談では無いことは、保証しておく」
「……そう、ですか」

『縁談』って言い切ったぞ、このオヤジ。
しかも、明日?
明日の予定は変更するしかない。
話を聞いた時点で、行かない、行けないと言う選択肢は俺にはない。
オマケにさも当たり前かのように、俺の予定まで調べてある上での話。

「相手にも、お前のことは伏せてある」
「それは、お相手の方に申し訳ないかと」
「それはないから安心しろ。双方共に、明日のお楽しみだ」

それはない?
一体どういうことだ?
相手は警察関係者の可能性が高いのか?
俺のことを知っていて、俺が知っている、上層部のご令嬢か?
と言うことは、初対面ではない?
数年前から、気になっているヒトがいないわけではない。
のだが…。

「ハア」

ニヤリと口元を引き上げた管理官を見ると、もうため息しか出なかった。



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