第3章 *File.3*黒羽快斗*(R18)
「…悪ぃな、自分勝手なオトコで」
「バカね。半分は私の所為でしょ?でもね、私も譲れなかったから、これ以上ウソはつけなかったの」
「譲れなかった?」
「快斗への想いだけは、ね」
「すっげー嬉しい。一生護ってみせる。何があっても、雪乃だけは絶対にな」
「…信じてる」
俺達はまだまだ無力な高校生。なのは、お互いに十分分かってる。
それでも雪乃の存在だけは誰にも譲らないと、今改めて心に誓う。
「雪乃」
名前を呼ぶと視線を合わせたまま、ゆっくりと唇を重ねた。
「大正解」
「?」
「ホントに『大逆転サヨナラ満塁ホームラン』だわ」
「はっ?」
「こないだ、白馬に言われたの」
「アイツは俺達がこうなることを知ってたってことか」
「そういうことになるわね。一言も何も言ってないのに、何時の間にか私が快斗を好きなのがバレて。否定する前に、そう勝手に決め付けられた上で話は勝手に進んで。や~ね〜、名探偵って」
「ホントにな」
「安室さんだって一発だったし!」
「そういやさっき、あの公安に見惚れてただろ?」
「!」
「そこは否定しねえのかよ?今更、余所見すんなよ」
「ふふっ。それはしないー。ヤキモチー?」
「うっせー」
あの公安は、確かにイケメンだけどよ!
「するわけないでしょ?快斗こそ、私のこともっと信用してよね!」
「約束、だからな」
「うん。約束する」
「それから…」
「?」
「今日はまだまだ寝かせらんねーから、宜しく」
「えっ?!」
手のひらを重ねながら口付けると、狭い雪乃のナカへ再び自身を押し込む。
「まだ、痛むか?」
「ありがと。さっきよりはラクだから、大丈夫」
「だったら一晩かけて、痛みなんかなくなるぐらい抱いてやる」
「か、快斗?」
「覚悟しろよ」
「…何の?」
「俺に愛される、覚悟」
「……快斗もね!」
「もう遠慮しねーからな」
「えっ?ひゃ、ンっ…あっ、っん」
無意識なのか、快楽から逃げようとする腰を掴むと、乱れた雪乃の美しさに目を奪われながらも、反応を見てイイ場所を探がす。
ココ、か?
「…っ、やっ!」
直ぐに更にギュッと締まる場所を見つけて、ソコを目掛けて自身を打ち付けた。
今はただこの愛に、快楽に身を任せたい。
俺達二人きりの初めての長い夜が今、始まる。