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《赤井夢》Happiness{R18}

第38章 危機








目が覚めると私は病院にいて
ベットのそばには安室さんが立っていた。


たまたま私が落ちた歩道橋の近くにいて
わざわざ付き添ってくれたらしい。



「頭を少し打ったようですが、脳には異常ないそうです。
手足も打撲だけなので、目が覚めたら帰宅していいと
医者が言っていましたよ。」


『そうですか…
偶然とはいえ付き添ってもらっちゃってすみません…』


「謝る必要なんかありませんよ…
あなたの事が心配だったので放っておけなかったんです。
…それより目撃者によると、
階段から突き落とされたそうですが……何か覚えていますか?」


『…いえ…何も…。』



本当は……



誰に突き落とされたのか分かってる。



でもこんな事をされる理由が分からないし
ひょっとしたら見間違いかもしれない…



私は安室さんにバレないように
目を合わさず俯きながら何も知らない、と答えた。



「…分かりました。
ではあの男にでも迎えを頼んで下さい。
あなたがこんな目にあったと知れば、すっ飛んでくるでしょう。」


『いえ…あの人、今忙しそうだから…
1人でタクシー拾って帰ります。
だから安室さんも…今日の事は誰にも言わないで欲しいんです…』


「っ、何を言ってるんですか?
打ち所が悪ければ死んでいたかも知れないのに…
どうして…」




確かに安室さんの言う通りだけど…

私が誰かに突き落とされたなんて知ったら
きっと赤井さんは仕事をそっちのけて私の所に来てくれるはず。

本当に優しい人だから…



でも仕事が大変な時に
私のことで心配や迷惑をかけさせたくなかった。




「私は本当に大丈夫です!
何か思い出したらちゃんと警察に行きますから!
だから…黙っててくれませんか?…お願いします。」




安室さんに頭を下げてお願いすると
大きな大きなため息が聞こえた。



「仕方ないですね…」

『!!ありがとうございます!』

「帰りは僕が送って行きましょう。
さすがに今日襲われた人を1人で返すわけにはいきません。」




うーん…さすが公安の警察官…

私も一市民だから放っておけないんだろうか。



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