第37章 見学
『ちょっとみんな!
私のドジな所は教えなくてもいいから!』
「ふふっ、すみません。
私が若山先生の事をもっと知りたくて
子供達に聞いていたところなんです。」
『うぅ……情けないです…』
「でも子供達はみんな
若山先生のことが好きっていうのはよく分かりました!」
目をキラキラさせながら私にそういうソフィアさんは
すごく可愛らしくて…自然と顔が綻んだ。
『私も子供達のこと、すごく大好きです!
では授業を始めるので、ソフィアさんはこっちの席を使って下さい。』
少しスタートが遅れたけど、いつも通りに授業を行い
生徒達とソフィアさんが仲良くなれるような計らいもしていると、あっという間に1日が終わった。
生徒のみんなを見送るため、
私とソフィアさんは一緒に校門まで向かい
生徒達に挨拶をしていると、いつもの少年探偵団のみんなが私達の元へ近づいてきた。
「若山先生!このお姉さん誰ー?」
「外国の方みたいですけど…」
「あー!ひょっとして
学校の見学に来てるっていう女の人ってこの人か!?」
『そうだよ!私が彼女の指導することになったから…
みんなも仲良くしてあげてね?』
「「「はーい!!!」」」
「はじめまして、ソフィア・スチュアートです!
小林先生から君達が探偵団を結成してるって聞いたよ?」
ソフィアさんは和気藹々と子供達と話しており
その様子を見ていると江戸川くんと灰原さんが私に近づいてきた。
「ねぇ先生。あの人って教育実習か何かなの?」
『まぁ、そんなところかな?教頭先生から聞いた話では
小学校の英語教師を目指してて、学校を見学したいって直接お願いしに来たんだって。』
「単独でそんな事をするなんて珍しいわね。
この学校に知り合いでもいたのかしら?」
『ううん。そういう訳ではなさそうだったよ?』
2人はソフィアさんの事をジッと見つめていて…
そんな2人の様子を不思議に思っていると
何度か見た事のある赤い車が走ってきて
校門の近くで停車し、運転席から昴さんが降りて来た。