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私が帰る理由

第18章 うちはイタチ part1







「あった。この巻物を持って帰ったら任務完了だ」

「分かりました。ヨルさん」

次の日お互いツーマンセルを組み任務へ行く。
内容は岩で出来た洞窟の奥に潜む、巻き物の回収。
オレとヨルさんは、巻き物に辿り着いた。


オレは昨日の告白と出来事を思い出す。


『イタチ...』
『貴女が好きです。1人の女性として』
『......』
『直ぐに返事は入りません。明日任務宜しくお願いします』


そして本日の任務。
ヨルさんは一切表情が変わらない。

本当に変わらない

まるでオレからの告白が聞こえていなかった様に。
別に避けられてる訳じゃない。
かと言って、変に意識しているわけでもない。
それが嬉しいのか悲しいのか...
複雑な心境だった





「......イタチ...」

「はい?」

「帰ったら少し話そう」

「!...はい!」
ヨルさんからの一言。それで全て想像がついた。良いんです...オレは気持ちを伝えたかったから。


オレは任務中である為私情を押し殺し、目当ての巻き物に手を掛ける。




「じゃあ帰ろう。」
オレとヨルさんは、洞窟の出口を目指す。遠くの方で出口と思われる場所から、外の光が小さく煌めく。
まだ少し距離はある。





すると...







ゴ、ゴゴゴゴォォオ......




何かが崩れる音が当たり一面に広がる


「「...」」
オレとヨルさんは冷静に行動し、今の状況を分析した。



すると...


ドンッ!!



天井だった岩の壁が崩れ、唯の岩となりオレの横に崩れ落ちてきた。
そして、それを始まりに天井が崩れてきている。
このままじゃ洞窟が潰れ、瓦礫の餌食だ!

「イタチ...走るぞ」
ヨルさんの声にオレ達は出口へ走り出す。

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