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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第6章 6年間の始まり02


何かを言いかけたシャンクスが言葉を発する直前に、🌸ちゃん!と声がかかった。
携帯を握りしめて戻ってきた🎀は、ごめんなさい、とシャンクスに断りを入れて、手に持っていた携帯を🌸に差し出した。

「お話の邪魔してごめんね。ロー君が、🌸ちゃんに代われって聞かなくて」
「は?ああ、うん」
通話状態の携帯を受け取って立ち上がり、シャンクスに話は聞こえないが席は確認できる位置まで離れる。
🎀がシャンクスにも謝罪を入れているのが見える。

目を離さないまま、もしもし、と携帯を耳に当てる。

-てめぇ、🎀を放り出して男と駄弁ってんじゃねぇ-
「...あいかわらずの重低音で」
-ふざけてんのか-
(お前、夜勤中じゃないんかい)
休憩時間を割いてまで電話してくるあたり、相変わらずで笑いが出る。

「あー、ごめんごめん。大丈夫。
電話するまではちゃんと隣に陣取ってたよ」
-...男がいるんだってな-
「え?男?ああ、うん。🎀に聞いた?」
-大体は。どんなやつだ?妙な輩じゃねぇだろうな-
「今のあんたの方が充分『輩』だよ。
心配することは、ないと思う。
結構、紳士っぽいし話しやすいけど🎀にグイグイ行ってるわけじゃないし、むしろ『結婚おめでとう』って感じで乾杯してくれた」
-飲んでるのか?!-
🎀は、お酒が一滴も飲めない。
ローももちろん把握しているので、その声はかなり焦っている。

「ハニーミルクティーとセイロンティーとコーヒーをね。
誰ひとりお酒は飲んでないよ」
ビビらせんな、と電話の向こうから深い溜息混じりに聞こえる。
-🎀はもちろんだが、お前も気をつけろよ-
「なにが?」
-「なにが?」じゃねぇ!変な野郎に掴まんなっつってんだ-
「はいはい。大丈夫よ。そろそろ🎀も眠たくなっちゃう頃だろうし、切り上げて、ホテルに戻るよ」
-ぜひ、そうしろ。あ、待て-
「なに?」

ガサガサと音がしたかと思うと、もしもし?と問われる。

「聞いてるよ」
-男の人相とわかってる素性全部吐け-

(お前はブレないな)

自分の目がじっとりと生ぬるくなるのを自覚した。
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