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君中毒【東リべ夢】〘三途春千夜夢〙

第5章 加速、そして……




〔春千夜side3〕

その言葉が、俺の体を動かした。

「アイツ、泣いてたぞ。多分、それに関係してると思うから言っとくわ」

好きという感情が俺へあるか分からないと、そう言っていたが、俺と女が話す姿を見て泣いていた。

それってまるで。

「何か、嫉妬……みたいっスね」

場地の隣で松野が、紙パックのジュースを飲みながら言う。

俺はスマホを取り出す。そして、気づく。

のGPSが反応していない。

「クソっ……」

教室へ行くけど、荷物があるだけではいなかった。

学校中を探したけど、何処にもの姿はなくて、俺はスマホを取り出した。

は知らない。俺がの位置を確認出来るのが、スマホのGPSだけじゃないという事を。

「……家?」

てっきり逃げたのかと思った。なのに、何故の位置を示す場所が、自分の家なのか。

がサボる事なんて、今まで一度だってなかったから、体調が悪くなったのか。

俺は、と自分の荷物を取って家に戻った。

靴はあるからいるはずだが、リビングにも風呂にもトイレにもいない。

残るは物置だが、あんな場所で何をしているのか。

「まさか、荷物……」

出て行くつもりで、荷物でも纏めているのかと思い、少し焦りながら足早に物置へ向かう。

急いで部屋へ入ると、はいた。

ただ、床で小さく丸まって眠っている。何かを抱えていると思ってしゃがんでよく見てみる。

「俺の、服……か?」

どういう状況なのか、全く意味が分からないのに、この状況はあまりにも可愛過ぎる。

「……ったく……勘弁してくれ……」

こんな愛おしい行動をされて、俺はどうすればいいんだ。こいつは俺を、何処まで夢中にさせるんだ。

前髪を上げるみたいに、自らの額に手を当ててため息を吐く。

とりあえず深呼吸で、高ぶる気持ちを落ち着かせ、眠るを抱き上げる。

服はなかなか離さないから、そのままにする。

「本物がここにいんだから、服離せー」

横に寄り添っての方へ向いて寝転び、眠るの髪を撫でると、が身動ぐ。
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